大切なのは予防と早期治療!頻尿の原因になる4種の病気

全世界で3000万人以上、国内では800万人以上という数多くの罹患者を抱えながらも、長い間「頻尿は病気ではない」という認識が一般的でした。積極的に治療を促す風潮もなく、頻尿の罹患者はその症状に苦しみながらも治療できないことが多かったのが現実です。

現在は頻尿に関する研究が進み、治療法も整備され、予防や対策に関する知識も広まってきました。どんな病気に頻尿の症状が現れるのかについても、多くの事例が明らかにされています。

今回は、頻尿の症状をもたらすおそれがある主な病気について学んでいきます。

意外に身近なところに?頻尿の症状をもたらす4種の病気

症状の一つとして頻尿が生じる病気は、私たちが想像するよりもはるかに多く存在します。中でも特に罹患者が多く、私たちにとって身近だといえるのは、以下の4種類の病気です。

    <頻尿の原因となる4種の疾病>

  • 生活習慣病
  • 前立腺肥大症
  • 骨盤底筋のゆるみが原因の病気
  • 過活動膀胱

一つ一つを詳しくみていきましょう。

日々の積み重ねが一番の予防!生活習慣病の数々

生活習慣病とは、食事・運動・睡眠・飲酒・喫煙など、日々の生活習慣が原因として生じる様々な病気のことをいいます。かつては「成人病」とも呼ばれていたとおり、大人になってから発病する、つまり生活習慣の長年の蓄積によってもたらされる病です。

生活習慣病は排尿器官の大敵

生活習慣病の代表的な病気である糖尿病、高血圧、動脈硬化、脂質異常症などの病気は過活動膀胱を併発することがあり、頻尿を発症しやすいといえます。原因は、血流の悪化が排尿器官に悪い影響を及ぼすためです。

頻尿の原因のトップである過活動膀胱については、のちほど詳しくお話しします。

手術の後遺症にも要注意

生活習慣と大きなかかわりを持つといわれている「がん」ですが、子宮がんや直腸がんなどの手術の後遺症として頻尿を発症することがあります。

子宮がんや直腸がんの手術で骨盤内のリンパを切除する際に、膀胱や尿道のはたらきを支配する神経に傷が付いてしまうことがあります。結果、膀胱が正常に収縮しなくなって常に多量の蓄尿が生じ、少しの腹圧で尿が溢れて漏れてしまう状態になります。これを「溢流性尿失禁」といい、しばしば尿が溢れるため頻尿状態に陥ってしまいます。

味方は正しい生活習慣

章の冒頭で述べたとおり、生活習慣病は「体に悪い習慣の蓄積」が原因となって発症する病気です。体に悪いと思いつつ油物ばかり食べてしまったり、運動不足だと認識しながらそのままにしていたり、控えようと思いつつもたくさん飲酒したり、そんな生活の些細な「まあいいや」が結果として体にもたらす代償はとても大きいのです

そんな生活習慣病が併発する様々な症状のうちの一つが、日常生活に大きな支障をきたす頻尿という病です。どんな病気でも同様ですが、「なってしまったら治せばいい」では多くの苦痛が伴うのに対し、「ならないように気を付ける」は日々の少しずつの努力と我慢があれば実行できます

正しい生活習慣は、身につければあなたの強い味方になってくれます。

50代以降の男性は要注意!前立腺肥大症による頻尿

特に50代以降の男性に多く発症する前立腺肥大症ですが、この病気も頻尿の原因病の一つです。標準の治療法は内科的治療ですが、ひどい場合は手術が必要になるケースもあります。

前立腺肥大がもたらす体の異常

前立腺は生殖器の一つで、膀胱のすぐ下に位置する器官です。加齢に伴って肥大化することがあり、肥大すれば尿道を圧迫します。尿道の外側に向けて肥大している場合は排尿には問題を生じませんが、尿道側に肥大すれば尿道閉塞を起こし、頻尿や排尿困難の原因となります。

前立腺肥大症の排尿にかかわる症状

前立腺は、ちょうど中央を尿道が貫いているため、異常が起これば直接的に排尿機能に影響を及ぼす器官です。

尿が出づらくなり出ても少量だけだとか、残尿感を感じる(発症初期にはないが、悪化すると感じるようになる)といったような症状がある場合は、前立腺肥大症によるものであるおそれがあります。早めに医師に相談しましょう。

産後の体に起こりやすい!骨盤底筋のゆるみが原因の病

特に産後の女性の体に起こりやすいのが、骨盤底筋がゆるんでしまったことで生じる病気による頻尿です。骨盤底筋のゆるみが原因となって発症する病気には以下のようなものがあります。

    <骨盤底筋のゆるみがもたらす病気>

  • 膀胱瘤(膀胱が外陰部から出てくる)
  • 直腸瘤(直腸が膣口から出てくる)
  • 子宮脱(子宮が膣口から出てくる)

いずれも、ゆるんでしまった骨盤底筋が骨盤内の臓器を支えきれず、支えを失った臓器が外陰部や膣口から脱してしまうという病気です。排尿と関わりの深い臓器に異常をきたすため、排尿障害を生じてしまい、症状の一つとして頻尿になってしまうことがあります。

過活動膀胱とは?頻尿の原因トップの病を知る

頻尿患者の発症原因の大半を占めるのが、過活動膀胱という病です。過活動膀胱は、正式には「過活動膀胱症候群」とも呼ばれます。

かつて過活動膀胱は、その診断のための検査の煩雑さゆえに、あまり積極的に治療されていない病気でした。アメリカで行われた調査の結果、過活動膀胱と思われる症状に苦しむ人は3400万人にものぼるという現実が明らかになり、診断基準変更などの措置がとられたことで過活動膀胱治療の状況は明るくなってきました。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因は様々です。生活習慣病の章でも述べたように、他の病気の合併症として現れるケースも少なくありません。

いずれの場合にも共通するのは、何らかの原因で膀胱が過敏になった結果、充分な量の蓄尿がされる前に膀胱が勝手に収縮したりして、急激に尿意を覚えるという点です。

過活動膀胱の症状と診断基準

過活動膀胱の診断必須要件とされる症状は、頻尿と「尿意切迫感」です。尿意切迫感とは、急激に尿意が生じ、かつその尿意を抑えることが難しい状態のことをいいます。

また、尿意切迫感と同時に、あるいは尿意を感じた直後に尿が漏れてしまうことを「切迫性尿失禁」といい、これも過活動膀胱にみられる症状の一つです。

過活動膀胱は他の大きな疾病の合併症として生じやすいということもあるため、症状に心当たりがある場合には早めに受診することをおすすめします。

併せて知りたい間質性膀胱

過活動膀胱と類似した病気に間質性膀胱があります。症状は過活動膀胱と似ていますが、激しい痛みを伴うという点が異なります。間質性膀胱の認知度はまだあまり高くないため、頻尿、尿意切迫感に加えて痛みも生じるようであればその旨をきちんと医師に伝えた方がよいでしょう。

まとめておさらい!頻尿の原因になる4大病と注意点

頻尿の原因になる4種の病気、まとめて復習しておきましょう。

糖尿病、高血圧などの生活習慣病は、血流が悪くなるという性質上、頻尿を招きやすい疾病です。日々の生活習慣を見直すことで予防しましょう

前立腺肥大症は特に50代以降の男性に、骨盤底筋のゆるみがもたらす病気の数々は特に産後の女性に注意が必要です。

過活動膀胱は頻尿の原因として最も多い病気です。症状に思い当たることがあれば早めに泌尿器科を受診しましょう。

病気に対して私たちができる最大の抵抗は、小さな努力を積み重ねて予防すること、そして、少しでも早い段階で「もしかして?」と気付いて医師に相談することです。頻尿は命にかかわる病気ではありませんが、決して軽視せず、早めの対応を心がけましょう。

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