あなたの睡眠を阻害する夜間頻尿!4つの原因と治療・対策

夜間、トイレのために何度か目が覚め、翌日寝不足になってしまった経験はありませんか?就寝後の尿意に睡眠を阻害されることが日常的になると、日々の生活に支障をきたしてしまいます。

就寝後に頻繁に尿意をもよおす病気は、頻尿の中でも特に「夜間頻尿」と呼ばれ、その症状に悩む人は少なくありません。夜間頻尿の原因のうち、主な4つの原因と、その治療・対策について学びましょう。

夜に何回トイレに行くと夜間頻尿?基準となる回数は

頻尿とはその文字のとおり、排尿の回数が異常に多くなった状態のことをいいます。一日の排尿回数には個人差があるため、明確に何回以上の排尿があれば頻尿だ、と言い切ることはできませんが、概ね一日の排尿回数が8回以上であれば頻尿のおそれが高いという目安があります。

夜間頻尿に限っていえば、夜間(寝床に入り就寝の態勢に入って以降)の排尿回数の平均は0~1回です。寝床に入って以降2回以上トイレに行くようなら、夜間頻尿を発症しているおそれがあります。

なりやすいのはどんな人?夜間頻尿のリスクを持つ層

高齢者が発症しやすいイメージがある夜間頻尿ですが、実際にはどんな人が夜間頻尿を発症するリスクを持っているのでしょうか。

夜間頻尿になりやすい人

夜間頻尿は、特に高齢の男性に罹患者が多い傾向があります。加齢に伴って腎臓の機能が低下すると、日中よりも夜間の尿量の方が多くなります。そのため高齢者全般に夜間の頻尿が起こりやすいのですが、特に男性は加齢に伴って前立腺肥大症(前立腺が肥大化する疾病で、頻尿の原因病の一つ)を罹患するリスクも高まるため、女性よりも発症率が高くなっています。

ただし、高齢者のみが夜間頻尿のリスクを抱えているわけではありません。若い女性にも頻尿や尿失禁の症状を持つ人は多く、また基本的に日常の水分摂取量が多い人も夜間頻尿になりやすくなっています。

どんな人にもリスクはある

つまり、男女問わずあらゆる年齢層の人が夜間頻尿を発症するリスクを持っているということです。他人事だと軽視せず、自分にも起こりうることだと認識して向き合う必要があります。

どんなことに困る?夜間頻尿を発症したときに起こる問題

夜間頻尿の発症で起こる問題は、睡眠不足による翌日の生活への影響や、何度もトイレに起きるストレスだけではありません。

夜間に生じる突然の尿意に対処できず、夜尿症(おもらし)になってしまうことがあります。夜尿症になると、自分自身を情けなく感じて気持ちが滅入ってしまったり、家族に迷惑をかけてしまう心苦しさから心身の不調を起こしかねません。

また、高齢者が夜間頻尿になると、夜中に何度もトイレに行く途中に階段などで転倒してしまう危険性があります。転倒して骨折し、そのまま寝たきりの状態になってしまう高齢者が多い現実を考えると、「たかが頻尿」とは決して言えません。

夜間頻尿はなぜ起こる?4つの主な原因

発症すれば様々な心身の問題や健康リスクを伴う夜間頻尿ですが、この病気はどんなことがきっかけで発症するのでしょうか。特に多い4つの原因を紹介します。

睡眠障害による発症とループ

1つめは、夜間きちんと睡眠がとれない「睡眠障害」が頻尿を招くケースです。寝付けない状況にストレスを感じてトイレが気になり、何度もトイレに立つ。トイレの回数が増えて癖付いてしまい、頻尿状態になる。頻尿のせいでさらに眠れなくなり、睡眠障害が悪化する。といった負のループから夜間頻尿が継続してしまうことがあります。

また、睡眠時に無意識に呼吸をしていない「睡眠時無呼吸症候群」も、夜間頻尿を併発することがあります。睡眠中に呼吸が苦しくなると、利尿を促すホルモンが分泌されてしまうためです。

高血圧と夜の尿量の関係

2つめは高血圧です。高血圧が夜間頻尿を引き起こす原因は、血流にあります。

健康な人の尿量は、日中に多く夜間に少なくなることが一般的です。ところが高血圧になると、日中は腎臓の血流が滞りやすいために尿量が減り、夜間になると腎臓の血流が増進し尿の生産量が増えてしまいます。

尿量が増えると当然排尿の回数も増えるため、夜間に何度もトイレに立たなければならなくなってしまうのです。

「老化」そのものが夜間頻尿を招く?

3つめの原因は、老化です。ざっくりした表現になりますが、老化そのものが夜間頻尿の原因になります

一般的に日中よりも夜間の尿量が少なく済んでいるのは、夜の間に尿量を抑制してくれる「バソプレシン」という抗利尿ホルモンがあるからです。このバソプレシンは、加齢に伴って自然に減少していきます。夜間の尿量を抑えてくれていた物質が減ってくるので、加齢に伴って夜間頻尿のリスクも上がることになります。

水分の摂り方も原因に

最後の一つは、健康状態にかかわらず誰しもに生じうる原因です。それは、飲料の摂取の仕方。コーヒー、紅茶、お酒などの利尿作用がある飲料をよく飲む習慣がある人や、特に就寝前に水分を摂りすぎる習慣がある人は、不意に夜間頻尿を発症してしまうことがあります。

夜間頻尿になってしまったら?原因別の対策と治療法

実際に夜間頻尿を発症してしまった際には、どんな対策あるいは治療を行うことになるのでしょうか。前章で挙げた4つの原因別にみていきます。

なお、前立腺肥大症や過活動膀胱など、特定の病気が原因で夜間頻尿が起こっている場合にはその病気の治療が最優先です。夜間頻尿の症状に困っていることを主治医に相談し、指示を仰いでください。

睡眠の改善が最優先

睡眠障害によって夜間頻尿が誘発されている状態の解決策は、何よりもまず「きちんとした睡眠がとれるようになる」ことです。自己で解決できる範囲であれば、規則正しい生活を心がけたり就寝時の環境を改善するなどして、良質な睡眠がとれるよう努めてみましょう。

症状がひどい場合は専門医に相談し、睡眠薬の投与などによって睡眠の問題を解消していきます。睡眠の質がよくなれば、頻尿の症状も改善していきます。

降圧剤と生活習慣改善

高血圧が夜間頻尿の原因と考えられる場合は、血圧を下げる降圧剤の投与などで対応することになります。

併せて、生活習慣の改善も必要です。塩分を控えた食事や肥満予防のための運動など、日頃の生活習慣を意識して変え、根本の問題を解決に近付ける気持ちが重要です。

高齢者の頻尿治療

加齢に伴って起こるバソプレシンの分泌不足の場合には、「デスモプレシン」という抗利尿ホルモン剤を使用します。ただし、高齢者には心不全のリスクがあることを覚えておきましょう。抗利尿ホルモン剤による治療は、主治医による慎重な使用が前提条件です。

飲料摂取の習慣の見直しを

利尿作用のある飲料や夜間の水分を多量に摂取している自覚はなくても、それが原因となって夜間頻尿になっていることがあります。飲料の摂取の仕方について自分で把握できていない場合は、一日の「飲み物日記」をつけてみましょう。飲んだものの種類、時間、量などを記録することで、摂取しすぎていることに気付くきっかけになります。

最後に復習!夜間頻尿4つの原因と対策・治療のまとめ

夜間頻尿の主な原因4つと、それらの対策・治療法は以下のとおりでした。

    <夜間頻尿の4つの原因と治し方>

  • 睡眠障害:睡眠薬などによる睡眠改善
  • 高血圧:降圧剤投与と生活習慣の改善
  • 老化:抗利尿ホルモン剤の投与
  • 飲料摂取:「飲み物日記」で摂取飲料の把握

夜間頻尿は、れっきとした疾病の一つです。軽度な症状であれば生活習慣の見直しによって改善を試みる姿勢も大切ですが、症状が重く生活に支障が出るような場合には、病院で治療を受けることも必要です。早めに医師に相談し、困りごとが増えないうちに治療を行いましょう。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ