産後の頻尿を解消しよう!骨盤底筋訓練と日常の注意点

妊娠・出産後、間もなくして頻尿の症状に苦しんだ経験がある人は多いのではないでしょうか。女性は男性よりも尿道が短く筋肉の力も弱いため、頻尿を発症するリスクが高く、中でも産後は特に注意が必要な期間です。

産後の女性に頻尿の症状が多くみられるのは、骨盤底筋のゆるみが原因です。骨盤底筋のゆるみはなぜ起こり、どうすれば改善できるのでしょうか。

女性は要注意!産後の頻尿はこんなに大変

頻尿という病気についてあまり詳しく聞いたことがない人は、「トイレが近くなるだけで大した問題ではないのでは?」と考えがちです。実際に頻尿を発症すると、どんな問題が起こるのでしょうか。

頻尿がもたらす生活の悩み

頻尿は排尿回数が増える病気ですが、それだけではありません。症状がひどいときには、多ければ10~20分に1回、突然やってくる強い尿意に慌ててトイレに走る状態になることもあります。尿意が強いため膀胱が圧迫される苦しさがあったり、残尿感が強くなかなかトイレを離れられないケースもあります。そうなってしまえば、日常生活をいつもどおりに送ることさえできなくなります。

家庭生活、仕事、娯楽、人間関係。生活のすべてに支障が出て、大変つらい思いをするおそれがあるのが、頻尿という病気です。

産後ならではの苦労も

産後の女性の生活は、子育てを必死に頑張りながら家事も行い、パートナーとの関係にも気を配り、普通に過ごすだけで疲弊する毎日です。加えて出産後のホルモンバランスの乱れによって情緒が不安定になったり、慣れない子育てに不安を覚えたり、精神面でも苦労の多い時期です。

そんな中頻尿を患ってしまうと、生活の負担や不安がさらに増幅することいなってしまいます。産後だから起こりやすいのですが、産後だからこそ防ぎたい病気でもあります。

骨盤底筋って何?はたらきとリスクを解説

骨盤底筋という言葉を耳にしたことがない人もいるのではないでしょうか。まずは、骨盤底筋のはたらきとそのリスクについて解説します。

骨盤底筋のはたらき

骨盤底筋は、大腸、小腸、子宮、膀胱などの臓器を支えている、骨盤の底にある筋肉です。膀胱が尿をためたり、尿漏れが起こらないよう尿道が締まったりなど、排泄にかかわる各器官のはたらきを補助する大切な役割を担っています。

骨盤底筋のゆるみによる病気

骨盤内の臓器を支えている骨盤底筋の力が落ちてしまうと、骨盤内の臓器が下がってしまい様々な病気の原因になります。具体的には以下のような病気です。

    <骨盤底筋がゆるむことで発症する病気>

  • 膀胱瘤
  • 子宮脱
  • 直腸瘤

これらの病気が排尿障害を引き起こし、頻尿の症状をもたらすことになります。

なぜ起こる?骨盤底筋のゆるみの原因とは

骨盤底筋のゆるみはなぜ起こるのでしょうか。その原因を解説します。

出産時、赤ちゃんの頭部が膣を通過する際に、膣と薄い膜で隔てられているだけの尿道壁は大きく引き伸ばされることになります。引き伸ばされた尿道内の血管は虚血状態になり、筋細胞や神経細胞が傷付き、筋肉の線維化(筋組織が伸び切ってしまった状態)が起こります。

これが、出産後に骨盤底筋のゆるみが起こるメカニズムです。

自宅で簡単!骨盤底筋のゆるみを改善する方法

骨盤底筋のゆるみを改善するために、自宅でできるトレーニングがあります。トレーニングが必要になってくるケースと、その実践方法を解説します。

産後の頻尿は一年以内に治る

多くの場合、産後の頻尿は一年以内に改善します。これは、骨盤底筋の緊張を保つ役割を担っているエストロゲンという女性ホルモンやコラーゲンが正常に分泌されていれば、骨盤底筋は自然と回復するためです。逆に、頻尿が一年以上続いているようであれば自発的な対策が必要です。

また、産後の頻尿はすぐに終わったものの、エストロゲンの分泌が止まった閉経後に頻尿が再発してしまうというケースもあります。その際も自然治癒は難しいため、やはり改善のための対策が必要になります。

その対策として効果的なのが、次に紹介する「骨盤底筋訓練」です。

骨盤底筋訓練の方法

骨盤底筋訓練とは、骨盤底筋の力を取り戻すために行うストレッチのことをいいます。詳細な手順は書籍や雑誌などにより様々ですが、ここでは概ね共通している方法を紹介します。

    <骨盤底筋訓練の実践方法>

  • 本などで骨盤底筋の位置を調べ、骨盤底筋が自分の体のどこにあるのかをイメージします。
  • 好きな姿勢(立つ、座る、寝るなど)になって鼻から大きく息を吸い、ゆっくり吐きながら脱力します。
  • 骨盤底筋をお腹側に持ち上げるようなイメージで、肛門括約筋に力を入れてお尻を締めます。このとき、お尻を締めているつもりで腹筋に力が入っていることがあるので注意します。
  • 肛門を締める感覚を掴んだら、肛門よりも前の筋肉(=骨盤底筋)も一緒に締めるよう意識します。
  • 骨盤底筋を締める感覚を掴んだら、5~10秒かけて骨盤底筋をゆっくり締め、ゆっくり緩めます。
  • この動作を5~10回ほど繰り返します。

1~4つめの動作は、骨盤底筋に力を入れる感覚を掴むための方法です。感覚を掴めたら、5~6つめの動作を1セットとして、無理をしない範囲で数セット繰り返してください。このトレーニングを日々積み重ねていくことで骨盤底筋の緊張が戻り、ゆるみが改善されます。

産後の頻尿を長引かせないためには?日常での注意点

骨盤底筋訓練の実践以外にも、産後の頻尿を長引かせないために注意すべきことがあります。

頻繁な排泄を避ける

頻繁に訪れる尿意を感じてすぐにトイレに行くことを反復していると、尿道が収縮する機能に支障が出てしまい、さらに頻尿を起こす原因になりかねません。頻尿の症状があるときには、生活に支障がない程度に尿意を我慢することも必要です。

一人で悩まないこと

頻尿の症状を恥ずかしいと感じてしまう女性は多く、医師に相談できずに一人で抱え込んでしまう患者も多くいます。頻尿は、放置するほど重症になることがあります。症状がひどく日常生活に差障りがあるような場合には、恥ずかしがらずに専門医に相談しましょう。

産後の頻尿はこれで解決!大切なのは意識と実践

骨盤底筋とは何か、骨盤底筋のゆるみはなぜ起こるのか、骨盤底筋がゆるむとなぜ頻尿になるのか、というメカニズムから、産後の頻尿を解消するためのトレーニング「骨盤底筋訓練」の具体的な方法まで学びました。

頻尿の症状を改善するために大切なのは、仕組みを理解して意識し、トレーニングを毎日怠らずに積み重ねることです。今まさに産後の頻尿に悩んでいる人も、これから出産を経験する人も、閉経後に頻尿の不安がある人も、「意識」と「実践」の大切さを覚えておいて損はないはずです。

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