「年をとると頻尿になる」は本当?高齢者が頻尿になる6つの原因

かつて、「年をとると頻尿になるのは自然の摂理であって、病気ではない」と考えられていた時がありました。そのため、高齢者が頻尿になりやすい原因は明確になっておらず、治療はできないものだという認識が一般的でした。

現代では様々な原因が医学的に解明されており、治療や対策で頻尿はきちんと改善できることが明らかになっています。今回は、高齢者が頻尿になる6つの主な原因について解説します。

トイレが近くなるだけじゃない?頻尿を軽視できない理由

頻尿は、ただトイレの回数が増えるだけの病気ではありません。過剰な排尿回数によって生活の様々な場面で悩みを生む、尿失禁を併発する、残尿感による不快感や身体的な苦痛も生じる、などといった点も考慮に入れれば、早急に改善すべき深刻な症状であることが分かります。

頻尿を軽視すべきでない理由を具体的にお話ししていきます。

日常生活への支障

頻尿が日常生活に及ぼす影響は深刻です。頻繁に尿意に見舞われるため行き先が制限され、好きな場所に出かけることも難しくなります。

また、夜間頻尿になれば、就寝後に何度もトイレに起きることになります。そうなればきちんと眠れないことが続き、体調にも悪影響が出ます。夜間頻尿から睡眠障害を併発することもあります

自尊心を傷付ける深刻な病

排尿回数があまりに増えたり、間に合わずに尿失禁を起こしてしまうようになると、オムツを身に着けて生活せざるを得ない場合があります。これまで当たり前に管理できていたことだからこそ、管理できなくなることで自尊心が傷付き、「情けない」「自分はもうだめなんだ」などといった気持ちになって自信をなくしてしまう罹患者は少なくありません。

家族に負担をかける高齢者の頻尿

要介護の高齢者が頻尿を発症すると、介護にあたる家族の負担も大きくなってしまいます。突然生じた尿意が、すぐに切迫した状態になってしまうことも頻尿の特徴です。そのため、頻繁に尿意を訴え介護者に面倒をかけることを心苦しく思い、我慢した結果失禁してしまってお互いに心身の負担に…ということも多いのです。

なぜ加齢が頻尿を起こすのか?老化に伴う体の変化

では、高齢になると頻尿を発症しやすくなる原因は何なのでしょうか。まずは、加齢による体の変化という観点からみていきます。

排尿機能を司る器官の衰え

一般的に、尿がたまっている状態のときは、膀胱壁の筋肉は弛緩し尿道口は締まっています。尿を排泄するときはその逆で、膀胱壁の筋肉は収縮し、尿道口が弛緩します。この各所のはたらきは、自律神経によってコントロールされています。

高齢になると、自律神経をコントロールする脳や脊髄が衰え始めます。それに伴い、若い頃には正常に機能していた排泄器官にも機能不全が生じ始めます。

女性ホルモンの減少が原因に

女性が閉経すると、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が止まります。このエストロゲンは頻尿とかかわりが深いため、閉経した後の高齢女性はより頻尿を発症するリスクが高くなります。

どんな病気で頻尿に?高齢者に多い頻尿の原因病

体の様々な場所で起こる病気や異常が、症状の一つとして頻尿を併発することがあります。どんな病気・異常が、高齢者の頻尿の原因になりやすいのでしょうか。ここでは3つの要因を紹介します。

脳の血管障害が引き金に

排尿時に必要な刺激を排尿器官に伝える神経は、脳の血管障害を起こしやすい場所に通っています。そのため、脳の血管障害が起こったときに影響を受けやすく、排尿にかかわる微小な刺激に過敏に反応してしまうようになります。結果、頻尿や切迫性尿失禁を起こすことになります。

合併症がもたらす尿量の増加

高齢になると、一つの病気を罹患したことをきっかけに合併症を発症することも増えてきます。特に尿量の増加がみられる糖尿病などの病気を併発することで、頻尿を発症してしまうことがあります。

高齢になるほど「病気の数が増える」から、「頻尿のリスクも高まる」のは自然なことです。

腎機能の低下が起こす夜間頻尿

腎臓の機能が低下すると日中よりも夜間の方が尿量が増え、夜間頻尿の原因となります。腎機能は加齢に伴って低下するため、若者に比べて高齢者が夜間頻尿を発症するリスクは高くなっています。

習慣が発症を招く!高齢者が留意すべき生活習慣

加齢による生活習慣の変化が頻尿を招くこともあります。

成人が一日に必要とする水分量は約2500ミリリットルですが、このうちほとんどは食事から摂取されます。つまり、実際に飲まなければならない飲料の量はさほど多くありません。

高齢になると、口腔の渇きが気になり水分を多量に摂取しがちになります。高齢者の頻尿において、多飲が原因になっているケースは実は多いのです。必要以上に水分を摂取しない心がけは必要ですが、高齢になると熱中症のリスクも高まるため、まったく水分を摂らないというのも危険です。適切な量の水分摂取を意識してください。

家族が頻尿になったら?覚えておいてほしい大切なこと

頻尿は、罹患者本人以外には苦しさが分かりづらい病気です。家族から見ると大したことのようには感じず、頻繁にトイレに立つ本人を「またトイレに行くの~?」などと悪気なく茶化してしまったり、軽視してしまうこともあります。そのため、罹患者は家族に苦しさを訴えることができず、一人で悩みを抱え込んでしまいます。

つらそうに見えなくても苦しんでいることが多いのが、頻尿という病気です。家族が発症したときは、本人の気持ちに寄り添って一緒に解決策を考えてあげてください。

高齢者の頻尿の原因は6つ!まとめておさらい

高齢者が頻尿になりやすい原因を6つ紹介しました。以下のまとめで再確認してみましょう。

    <高齢者の頻尿に多い6つの原因>

  • 自律神経をコントロールする脳・脊髄の衰え
  • エストロゲン(女性ホルモン)の減少
  • 脳の血管障害
  • 合併症のリスク増加
  • 腎機能の低下
  • 水分の過剰摂取

冒頭にも述べたとおり、頻尿は治療すればきちんと治すことができる病気です。「もしかして?」と感じたら、我慢せずに医師に相談しましょう。頻尿での受診をきっかけに他の病気が発覚することもあります。病気のリスクが高まる高齢者だからこそ、「ただの頻尿だから」と我慢せず、原因としっかり向き合うことが大切です。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ