頻尿治療で使用するのはどんな薬?注意点と併せて紹介

頻尿とはどんな病気かご存知でしょうか。罹患したことがない人にとって頻尿は他の一般的な病気ほど馴染みがなく、頻尿が病気であるという認識を持たない人も多いのが現実です。しかし、頻尿の罹患者は国内で800万人を超えており、誰にとっても他人事ではないのです。

頻尿は病気であり、原因によっては薬で治療することができます。今回は、頻尿の治療で使用する薬と、その使用上の注意点を学びます。

頻尿の判断基準は?排尿回数の参考値

頻尿が「尿の回数が増える」症状であることを知っている人は多いでしょう。目安としては、1日に8回以上トイレに行くようなら頻尿と考えられます。就寝後の場合は、2回以上トイレのために起きるようであれば夜間頻尿が疑われます。

ただし、回数の基準には個人差があります。成人の1日の排尿回数の平均は、日中5回と夜間0~1回程度です。もともと通常時の排尿回数がこれを上回る人は、排尿回数が7、8回に増加したからといってただちに頻尿を疑われるわけではありません。8回という数字はあくまで目安で、基準には個人差があることを覚えておきましょう。

頻尿は治療できる!薬で治せる頻尿の原因

冒頭でも述べたとおり、頻尿は病気であり、きちんと治療して解消することができます。治療法は様々ですが、以下のような原因で頻尿が生じている場合は、薬物療法を行うことができます。

薬物治療が可能な頻尿

頻尿の原因が以下の4つに当てはまる場合は、まずは薬物療法で治療を試みることになります。

    <薬で治療できる頻尿の原因>

  • 加齢による夜間頻尿
  • 高血圧
  • 過活動膀胱
  • 前立腺肥大症

それぞれどんな薬を使用するのか、詳しくみていきましょう。

頻尿治療に使われる薬の種類は?原因別4種

頻尿の治療に使用される4種の薬剤を、その原因別に紹介します。

加齢による夜間頻尿の薬

加齢による夜間頻尿は、夜間の排尿を抑える役割を担う抗利尿ホルモンが減少することによって起こります。この場合、「デスモプレシン」という抗利尿ホルモン剤を投与することで夜間の排尿を制限し、夜間頻尿を治療していきます。

高血圧による頻尿に用いる薬

高血圧は、頻尿の原因としてポピュラーな事象の一つです。高血圧が頻尿を誘引している場合には、血圧を下げる薬(降圧剤)を用いて血圧を下げつつ、頻尿の症状を観察・改善していきます。

過活動膀胱を抑える薬

過活動膀胱は、頻尿の原因として最も多い病気です。何らかの原因で膀胱が敏感になってしまうことで、頻尿を発症します。

過活動膀胱には、「塩酸オキシブチニン」や「塩酸フラボキサート」といった抗コリン剤が用いられます。抗コリン剤は、排尿を促す神経伝達物質アセチルコリンのはたらきを阻害する薬です。アセチルコリンが阻害されることで排尿筋の収縮が弱まり、頻尿の症状を和らげます。

前立腺肥大症の治療薬

高齢男性に多い前立腺肥大症は、肥大した前立腺が尿道を圧迫して頻尿を引き起こす病気です。この治療には、肥大した前立腺を小さくする抗アンドロゲン薬が用いられます。アンドロゲン薬の投与によって、前立腺は20%ほど小さくなります。

生活習慣が要!薬物治療できないときは?

頻尿治療に用いる薬を紹介しましたが、どんな頻尿でも薬物療法によって改善できるわけではありません。

たとえば高血圧の場合は、降圧剤の使用だけでは根本的な部分の解決はできません。運動を行って肥満を解消したり、塩分を少なくした食事を心がけるなど、生活習慣を改善して高血圧の根本原因を解消しなければ、頻尿のリスクを完全に排除することはできません。

また、前立腺肥大症は軽症のうちは薬物によって治療することができますが、悪化すれば手術が必要になることもあります。前立腺肥大症も、悪い生活習慣の蓄積が引き起こす病気の一つです。頻尿のリスク自体を取り去るためには、やはり生活習慣の改善が要になります。

要確認!頻尿の治療で用いる薬についての注意点

薬は、病気の治療に助力してくれる一方で、様々なリスクも持っています。頻尿治療に用いる薬に関する注意点も、併せて学んでおきましょう。

抗利尿ホルモン剤のリスク

高齢者の夜間頻尿の治療に用いられる抗利尿ホルモン剤ですが、患者の体質や病状によっては心不全を引き起こすリスクを持つ薬です。抗利尿ホルモン剤の投与は、必ず主治医に相談の上で医師によって慎重に行われることが必須になります。

抗コリン剤の副作用

過活動膀胱の治療に用いる抗コリン剤の投与では、口渇(口の渇き)、便秘、発汗障害、残尿などの副作用が現れることがあります。

口渇は抗コリン剤が唾液の分泌を妨げるために起こるのですが、口の渇きは水分の過剰摂取に繋がり、結果として更なる頻尿のきっかけになってしまうおそれがあります。口渇の症状がひどい場合には、医師に相談し投与量を減らすなどの対策を講じる必要があります。

また、場合によっては排尿障害が生じるため、残尿が発生することもあります。残尿があると、再度の頻尿や細菌感染を引き起こすおそれがあります。定期的に残尿測定を行うことで防ぎましょう。

抗アンドロゲン薬のデメリット

前立腺肥大を改善する抗アンドロゲン薬は、前立腺がんの診断に必要な物質の数値(PSA)を下げる作用を持ちます。そのため、抗アンドロゲン薬を投与していると前立腺がんの検査で正しい判断をすることが難しくなる場合もあります。

リスクに注意!頻尿治療に用いる薬のまとめ

今回紹介した頻尿を治す薬と、その薬が用いられる頻尿の原因は以下のとおりでした。

    <頻尿の原因と使用される薬>

  • 抗利尿ホルモン剤:高齢者の夜間頻尿
  • 降圧剤:高血圧による頻尿
  • 抗コリン剤:過活動膀胱の治療
  • 抗アンドロゲン薬:前立腺肥大症

前章で述べたとおり、薬には多くの場合副作用、デメリット、その他のリスクが存在します。正しく使用されなければ、頻尿の治療のために投与した薬がさらに頻尿の状態を悪化させることもあります。薬物療法による頻尿の治療は、必ず医師に相談の上、慎重に実施してください。

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